昇華型 IDカードプリンター
昇華型 IDカードプリンターとは、固形インクを熱によって気化させ、プラスチックカードに転写する方式の
プリンターで、熱転写プリンターに分類されます。
昇華型プリンターでは、インク量の微妙な調節が可能であり、他の一般的な方式に比べて
細かな濃淡(階調)を再現できるという特徴があります。
特に、高解像度のデジタルカメラで撮影した画像を昇華型プリンターで印刷すると、
銀塩写真に近い細かさの写真画像を再現できます。
印刷方式には「ダイレクト印刷方式」と「再転写印刷方式」の2種類があります。
ダイレクト印刷方式(DTCシリーズ)
サーマルプリントヘッドと呼ばれる部品で、カード表面に直接印刷を行う方式です。
サーマルプリントヘッドではインクリボンの種類により、最適な熱量をコントロールし、
リボンに塗られたインクを昇華して印刷を行います。
カード印刷方式としては最も一般的で、カラーの発色がよく美しいカードを作成出来ます。
構造が比較的単純で、印刷速度が速く、ランニングコストが低いのも特長です。
但し、カードの周辺に印刷しない部分が 0.2 ~ 0.3 mm 程度残ります。
再転写印刷方式(HDPシリーズ)
カードに印刷する画像をHDPフィルム(再転写フィルム)に印刷し、
フィルムに印刷された画像をヒートローラーと呼ばれる部品で熱をかけ、カードの表面に転写(再転写)を行う印刷方式です。
この方式は、非常に鮮明な印刷品質が得られ、カードへの全面印刷が可能です。
また、カードの素材に影響されにくく、表面に若干の凹凸がある ICカードなどにも印刷可能である事も特長です。
両面印刷
カードの表面、裏面の両面に印刷を行うことです。
カードプリンターに装着されているカード反転機構により、一回の印刷オペレーションでカードの両面を印刷します。
表面がカラー印刷、裏面が黒色印刷の場合が一般的です。
片面印刷
カードの表面または裏面の片面に印刷を行うことです。
手動で反転することで、両面の印刷が可能です。
磁気エンコーダー
磁気ストライプカードへ情報を入出力する装置です。
使用する磁気カードの種類によって、必要とするエンコーダーは異なります。
磁気カードへ情報の入出力を行う場合は、一般的に、カードプリンター内部に装着した磁気エンコーダーが行います。
但し、外付け用の磁気エンコーダーを利用する場合もります。
IC エンコーダー
IC カードへ情報を入出力する装置です。
使用するICカードの種類によって、必要とするエンコーダーは異なります。
IC カードへ情報の入出力を行う場合、一般的には、カードプリンター内部に装着した IC エンコーダーが行います。
但し、外付け用の IC エンコーダーを利用する場合もります。
ラミネーション機構
カードの印刷面の耐擦過性などの耐久性を高めるため、専用の透明なフィルムを使用し特殊保護層でラミネートします。
プリンターに装着したラミネーション機構に、ラミネートフィルムを装填して使用します。